こういった悩みを解消します。
「育児ってこんなに大変なんだ。」と、母親になって初めて気付かされたことと思います。
その大変さを、親になる前は想像できなかったのではないでしょうか?
イライラの限界を通り越して、大声で怒鳴りつけてしまうこともあるのではないでしょうか。
そして、自己嫌悪に陥る。
本当は子供にやさしくしてあげたいのに、「私はこの子の母親なんだからしっかりしなきゃ!」という思いから、
ついつい厳しくなってしまうのだと思います。
これは仕方のないことです。なので、どうか自分を責めないでください。
とはいえ、できればいつも穏やかな気持ちで子供に接したいですよね。
というわけで、この記事では次のことについて書いていきたいと思います。
- 育児でイライラしてしまう原因は何か?
- イライラしないためにはどうすればいいか?
- イライラしてしまったときの対処法
上記です。
それではいきましょう。
イライラする原因は何?
まず育児でイライラしてしまう原因についてです。
結論、イライラの原因は自分の中にあります。
「うちの子供はわがままで育てにくい」とか「私の言うことを全く聞いてくれない」など、子供の方に原因があるように思ってしまいがちですが、そうではありません。
なぜなら、どんな子供であっても、また子供が何をしようと、あなた自身の心が安定していれば、イライラを抑えることができるからです。
とはいえ、育児という理不尽な状況の中、平穏な心を持ち続けるということは簡単なことではありません。
では、どうすれば落ち着いた心で育児をできるようになるのでしょうか?
アドラー心理学の「目的論」を応用する
それではここから、育児でイライラしないための方法をご紹介します。
200万部を超える大ベストセラーとなった「嫌われる勇気」。
有名な本なので、読んだ人も多いのではないでしょうか?
これは、オーストリア出身の心理学者「アルフレッド・アドラー」の教えがまとめてある本です。
実はこの本の中に、育児でイライラしないためのヒントが書かれています。
それは、アドラーが考える「目的論」です。
これは何かというと、人が何か感情を表現する時は、必ず目的があるということです。
この説明だけだとちょっと分かりづらいですよね。
では具体的な例を出してみます。
例えば、ある人がお店で店員さんに飲み物をこぼされたので、大声で怒鳴りつけたとします。
この場合、この人は飲み物をこぼされたことが原因で怒鳴ったのではなく、怒鳴ることを目的として、怒りという感情を作り出したとアドラーは考えるわけです。
分かりますかね?
つまり、この人の目的は、怒鳴りつけて店員に自分の言うことを聞かせることであって、そのための手段として、手っとり早く目的を達成できる「怒り」という感情を利用したということです。
なぜなら、怒りの感情は自分のさじ加減で出し入れすることができるからです。
仮に、飲み物をこぼしたのが会社の上司だったとします。
この場合は、果たしてこの人は上司に向かって怒鳴りつけていたでしょうか?
恐らく「全然いいですよ。」
といって、その場を丸く収めますよね。
ということは、怒りを出す出さないというのは、自分でコントロールできるということなります。
これがアドラーが考える「目的論」なのですが、これを育児に置き換えます。
この考えに則ると、もしあなたが子供に対して、大声で怒鳴ってしまったとしたら、それは「子供に自分の言うことを聞かせたい」という目的で怒鳴っているということになります。
これがイライラをぶつけてしまう原因です。
イライラを抑えるにはどうすればいいか?
ここまで説明してきたとおり、イライラしてしまうのは「子供に言うことを聞かせたい」という気持ちがあるからです。
だったら、その考えを捨ててしまえば、イライラしなくて済みますよね。
もっと言うと、「子供に言うことを聞かせたい」と思うのではなく、それとは逆に「子供に自立してほしい」と願えばいいんです。
自立してほしいと願う気持ちがあれば、子供に対する接し方や、かける言葉が変わってきます。
例えば、
「おもちゃで遊んだあとはちゃんと片づけなさい!」
と言うのではなく、
「おもちゃで遊んだ後はどうするんだっけ?」
という風に、命令口調ではなく、疑問を投げかける形になります。
そうすると、子供はおもちゃで遊んだ後、どうするのかを自分で考え、自分の意思で行動することになります。
これによって自然と自立心が芽生えていきます。
つまり、子供に服従させるという気持ちを捨て、自立を促すことをことで、あなたのイライラも少なくなり、子供の成長も早くなるというわけです。
子供に自立してもらうために必要なこと
子供に自立してもらうためには、自己肯定感を高めてあげることが必要です。
自己肯定感とは、つまり、子供が「ありのままの自分を尊重できること」です。
ありのままの自分を尊重できれば、自分の考えに自信をもつことができ、自分で行動できるようになります。
そのためには、あまり子供扱いせず対等な関係を作り、子供に考える時間を与え、子供が出した答えを尊重してあげることが大切です。
ちなみにアメリカではこういう考えが進んでいて、小さい頃から子供が自立できる環境を親が作っています。
先ほどの「おもちゃの片づけ」の例のとおり、命令するのではなく、考えさせることで子供は自立し、その結果、育児に手がかからなくなり、親も楽をできるというわけです。
イライラした時の対処法
ここまで、子供にイライラしないための方法を説明してきましたが、
とはいえ、人間ですので100%イライラをなくせるわけではありません。
なので、もし子供にイライラしてしまったという時の対処法をあわせてご紹介します。
ポジティブフォーカスをする
ポジティブフォーカスとは、簡単にいうと子供のいいところだけを見るということです。
イライラしている時というのは、目の前にある子供のネガティブな部分に直面しています。
ダダをこねたり、泣きわめいたりといったことですね。
この場合、目の前で起こっていることに反応するのではなく、一旦これをシャットアウトして、子供のポジティブなところを想像します。
例えば、
- 子供が生まれてきたばかりの頃のこと
- 一緒に公園で遊んだ時のこと
- 初めて「ママ!」と呼んでくれた時のこと
今、思い返してみてください。
どれだけあなたが子供を愛しているか、子供がどれだけあなたを必要としているか、改めて感じることができますよね。
イライラして怒鳴っていることは、一時的な感情に過ぎず、とてもちっぽけなことだということに気づかされます。
そうすると、「これからも子供を守っていこう!」という前向きな気持ちが生まれ、落ちつた心で子供に接することができると思います。
まとめ
ここまでを整理すると次のとおりです。
- 「子供に言うことを聞かせたい」という気持ちから、「自立してほしい」という気持ちに変えることで、イライラがなくせる(アドラーの目的論を応用)
- 子供を自立させるには、自己肯定感を持たせることが必要
- イライラしてしまった時はポジティブフォーカスをする
人間なので、イライラすることもありますし、感情をコントロールできなくなることも正直あります。
しかし、そこでそうなった自分を責めるのではなく、なぜ感情に任せて怒ってしまったのか、なぜブレーキをかけられなかったのかをよく考え、次に活かすことが大切だと思います。
子供の成長と同時に、自分も成長していく。
もっと言えば、未熟な自分を子供が成長させてくれる。
それが育児ではないかなと思います。